胃切除後のトラブル:胃を失うということは…


胃を失うということは…
胃は
  • 脳と直結する多数のホルモンや神経伝達物質を駆使し、腸はもちろん、膵臓、肝臓、胆嚢などの働きを統率し、栄養素の消化や吸収を行う
  • 「グレリン」という食欲刺激ホルモンを分泌し脳へ情報をフィードバック(反映)して、食欲の中枢をコントロールする第2の脳的働きをする
他
    • 食物を一時的にためる袋の役割
    • 胃酸*1による食物の酸性化
    • ビタミンB12の吸収
    • 排便を促す

などの役割も担っています。

胃を失うということは前述のすべての機能を失ってしまうのですから、消化や吸収に混乱を招き、活動するためのエネルギーを充分得られないことになりかねません。
また、胃手術後は、食物の流れ方が変わり、胃と十二指腸、胃と膵臓など、胃とその他の消化器官がうまく連携しないため、以下のような機能障害(トラブル)が起こりやすくなります。

  • ダンピング症候群*2
  • 逆流性食道炎
  • 栄養障害
  • 骨粗鬆症
  • 貧血(鉄欠乏性、ビタミンB12欠乏性)
  • 下痢
  • 便秘
  • 胆石症
  • 腸閉塞
  • 逆流性残胃炎

胃の切除部分によって、失われる機能もトラブルもそれぞれですが、現時点では、切除する部分と、起こる障害または絶対起こらない障害という関連はわかっていません。胃を部分的に切除した場合も、全摘出によって失われる機能すべてに対処する心づもりで、自分の状態を知り、トラブルを予防することが大切です。
胃がないことを前向きにとらえ、だからこそおいしく栄養がとれる食事を工夫し、健康な体づくりをするようにしましょう。

*1主にたんぱく質がペプシンというたんぱく質分解酵素によって分解
*2食物が腸に急に落下することで起こる症状

 

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