Ⅰ.退院したら…

消化力は落ちていることに注意しよう

手術後は食べるペースがつかめずに心配になりますが、1年もたてば次第に食事ができるようになるでしょう。

ただ、食事量は戻っても消化力は落ちていることを意識しましょう。場合によっては消化酵素薬を用いることも必要です。

食べたいものを少しずつ

手術したことにより胃の働きが弱くなっていますが、細かく噛み砕かれてかゆ状になった食べ物であれば、消化酵素の作用を受けやすくなり小腸で栄養素が吸収されます。手術後しばらく食べていなかったものは、最初は様子を見ながら、1人分の半量程度から食べてみましょう。

手術後、初めて食べて、つかえ感やもたれ感がなくおいしく食べられたらOKです。次からは自信を持って食べることができます。少しずつ試しながら自分のペースに戻しましょう。

食欲がないときは

胃を切った人の最大の課題は、胃から分泌される食欲刺激ホルモンがなくなってしまうことです。人によっては食欲をまったく感じなくなることもあります。食事どきの雰囲気をたいせつにし、また視覚、触覚(口当たり)、味覚などをフルに使って食事を楽しみましょう。

胃手術後は、一度に食べる量は減りますが、内容はさほど変えずに自分が食べたいメニューでだいじょうぶです。

食欲がないときには栄養補助食品(カロリーメイトなど)や、消化態または半消化態の栄養剤を補う方法もあります。そのまま飲む他、ゼリーやシャーベットなどにすると比較的らくに栄養をとることができます。料理に向かない栄養剤もあるので調理する場合には管理栄養士にお尋ね下さい。

※普通の食事が摂れない場合に腸から栄養を吸収するための栄養剤です。購入には処方箋が必要です。詳しくは医師や薬剤師にお尋ねください。

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