創立者 梅田幸雄とアルファ・クラブ発会のいきさつ
昭和54年、60歳の私は、胃癌で胃を亜全摘しました。術後はつかえ、嘔吐、腹痛、便秘、逆流などの後遺症にひどく苦しみ、体重も82㎏から43㎏に減ってしまいました。一向に症状が緩和せず、後遺症対策に参考となる本を探しましたが、全く見つかりませんでした。年間25万人の人が胃を切除しているというのに、参考書が1冊もないことに驚き、「それならば私が作ろう」と決心したのです。長男に体を支えられ、1年がかりで全国の胃を切った患者さんの取材を続け、取材した人たちの経験と自分の経験を含めて編集し発行したのが、『胃を切った人の養生学』という本です。この本がアルファ・クラブの原点です。
この本が反響を呼び、これを機に「胃を切った人友の会アルファ・クラブ」を立ち上げ、読者の方々に入会を募りました。アルファ・クラブという名前は「胃を切った人もプラス・アルファ元気に長生きしよう」という本会の宣言から命名しました。
アルファ・クラブが、胃切除の後遺症に悩む方々に、少しでもお役に立てば嬉しい限りです。
平成17年4月・生前の「ご挨拶」より
平成18年3月4日、アルファ・クラブを立ち上げ、25年間にわたり導いてきた創立者・梅田幸雄が急逝しました。後遺症と闘い、いくつもの余病とともに走ってきた人生でしたが、大腸癌が肝臓に転移し、この世を去りました。故人を偲び、会報『ALPHA CLUB』第286号では追悼特集を組みました。
創立者 梅田幸雄とアルファ・クラブの歩み
梅田幸雄の術前と術後 | 昭和54年 1月 60歳 | 梅田幸雄が胃癌により胃を亜全摘。 術後の後遺症は多岐にわたり、食事のつかえ、嘔吐、腹鳴、腹痛、便秘、逆流、腸閉塞などに見舞われ、体重が激減。翌年から数年間に腸閉塞の手術を3回受ける。 |
昭和56年 4月 62歳 | 後遺症に苦しむ中、参考図書を自ら作ろうと奮起。長男に背負われながら1年をかけて患者の実態の調査と取材を行い、『胃を切った人の養生学』を発刊。 | |
創刊紹介号 | 昭和57年 4月 63歳 | 『胃を切った人の養生学』が大反響。読者カードの返信者にアンケートを実施し、1168人から回答を得る(後の『胃を切った人の後遺症』に収載)。後遺症に苦しむ人が常識以上に多いこと、数種類の後遺症に悩んでいることから、患者会の創立を決意。「胃を切った人友の会アルファ・クラブ」発足。顧問医7名を迎え、自ら世話人代表となる。初代会員数は1000人を超える。 |
7月 | 『創刊紹介号』に続き、会報『ALPHA CLUB』第1号を発行。 | |
12月 | 前述のアンケートを基に『胃を切った人の後遺症』発刊(現在絶版)。 | |
昭和60年 10月 66歳 | 「第1回アルファ・クラブ講演会」開催。日経小ホール。150人来場。 | |
『胃を切った人の後遺症』 (絶版) | 昭和61年 9月 67歳 | 『胃を切った人の食事学』を発刊。 |
昭和62年 12月 68歳 | 『朝日新聞』にアルファ・クラブの紹介記事が紹介される。問い合わせは300人を超える。 | |
昭和63年 10月 69歳 | 『胃を切った人の体験記』発刊。 | |
平成 2年 10月 71歳 | 会報『ALPHA CLUB』第100号発行。 | |
11月 | 「アルファ・クラブ100号記念講演会」開催。虎の門パストラル・鳳凰の間。200人以上来場。 | |
平成 3年 3月 72歳 | 『胃を切った人の長寿学』発刊。 | |
11月 | 第42回日本消化器内視鏡学会総会特別企画「胃を切った人の座談会」の企画・運営にあたる。梅田幸雄をはじめ、アルファ・クラブ会員5人が登壇。 | |
平成 4年 7月 73歳 | 「胃を切った人の座談会」の記録集『胃を切った人100人に聞きました』発刊。 | |
10周年記念講演会 | 10月 | 「アルファ・クラブ創立10周年記念特別講演会」開催。津田ホール。400人来場。 |
11月 | 『朝日新聞』「ひと」欄に梅田幸雄が紹介される。 | |
11月 | アルファ・クラブ準会員制度(後の病院会員)発足。 | |
平成 5年 7月 74歳 | 梅田幸雄が喉頭癌で手術。術後、放射線治療を行う。 | |
平成 6年 3月 75歳 | 『胃を切った人の体験記第2巻』発刊。 | |
11月 | 『胃を切った人の後遺症の克服』発刊。 | |
11月 | 「『胃を切った人』のシリーズ10万部突破記念特別講演会」開催。千代田区公会堂。570人来場。 | |
平成 7年 1月 76歳 | 「第1回アルファ・クラブ懇親会」開催。 | |
平成 8年 4月 77歳 | 『知っているようで知らない消化管探訪』発刊(現在絶版)。 | |
9月 | 『朝日新聞』「家庭」欄にアルファ・クラブが紹介される。問い合わせは2週間で1600件を超え、入会者は800人に及ぶ。 | |
平成 9年 10月 78歳 | 『胃を切った私たちの食事塾』発刊。 | |
15周年記念講演会 | 10月 | 「アルファ・クラブ創立15周年記念講演会」開催。千代田区公会堂。500人来場。 |
平成11年 2月 80歳 | 『読売新聞』「からだ 人生回廊」欄に紹介される。問い合わせは300人を超える。 | |
2月 | 会報『ALPHA CLUB』第200号発行。 | |
平成13年 1月 82歳 | 『胃を切った人・警戒したい12疾患』発刊。 | |
4月 | 『朝日新聞』「ともに歩む」欄に紹介される。問い合わせは1000人を超え、入会者は500人近くに及ぶ。 | |
20周年記念講演会 | 9月 | 「アルファ・クラブ20周年記念講演会」開催。千代田区公会堂。700人来場。 |
10月 | 『産経新聞』「いまが盛り」欄に紹介される。 | |
平成14年 2月 83歳 | 『赤旗』「日曜ワイド」欄に紹介される。 | |
8月 | 一般向け「アルファ・クラブ健康セミナー」/医療者向け「大塚製薬/アルファ・クラブセミナー」開催。日本都市センター。一般向け600人来場。医療者向け150人来場。 | |
平成15年 7月 84歳 | 鹿児島県で「アルファ・クラブ健康セミナー」開催。鹿児島県医師会館。170人来場。 | |
平成17年 4月 86歳 | 世話人代表を山路一朗に引き継ぐ。 | |
7月 | 梅田幸雄が大腸癌の手術を受ける。 | |
8月 | 『読売新聞』「医療ルネサンス」に紹介される。問い合わせは700人を超え、入会者は300人に及ぶ。 | |
平成18年 3月 87歳 | 梅田幸雄逝去。生前戒名「新錢院有波日幸居士」。「新錢座に生まれた日蓮宗の梅田幸雄は有波(アルファ)に終わる」の意。 | |
4月 | 『朝日新聞』「惜別」欄に梅田幸雄が紹介される(記者:田辺 功)。 |