逆流性食道炎と仲良くしつつ今は会社経営

後遺症に悩みながらの人生

体験談挿絵201707

和59年4月、37歳の春に胃がんで胃を全摘しました。手術は7時間もかかり、周りのリンパ節も除去しました。あとで知りましたが、がん細胞の転移はなく、ほっとしました。

術後33年が経過し、今年3月におかげさまで70歳となりました。今の体の状況は、時々、後遺症に苦しんでいます。でも、悩んでも仕方ないので、逆流性食道炎、貧血などの後遺症と仲良くするように努め、毎日をなんとか元気で過ごしております。

現在、富士山麓(さんろく)の静岡県富士宮市に住んでいます。市の名前の通り、富士山がいつも傍にあり、その容姿を仰ぐたびに、崇高な気概を感じています。

私は、昭和22年3月に三重県尾鷲(おわせ)市で生まれ、松阪市で3年間の高校の寮生活を過ごしたあと、昭和40年に神奈川県小田原市のビル、工場などの管工事を施工する会社に就職しました。小田原で結婚し、仕事の転勤で昭和50年4月に富士宮市に住まいを移し、定年後に独立して、今日に至ってます。

顧みますと、近くの町の病院で手術を受けた昭和59年当時は、医師から病名の告知もなく、私は胃潰瘍と思い込んで手術を受けました。手術直後の3日間は猛烈に起きる傷の激痛にベッドの上で七転八倒し、痛み止めのモルヒネ注射も効かなかったように思っています。

鼻から喉を通って腹の中へ通した2本の管が2週間も装着され、その苦しかったこと。24時間の鎖骨下静脈への輸液の点滴も3週間続き、夜中に管が抜けて看護師さんを呼び、事無きを得たなど、生来、臆病な私がよくぞ我慢できたと思っています。

あとでわかった胃がん全摘

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0日間入院して、退院後に通院しているうちに、周囲の様子から、自分が胃がんで全摘したことをうすうす知りました。同時に全摘の手術を受けて1年ほどたった複数の方が他界されたことを知り、愕然(がくぜん)としました。

その後、昭和60年9月に手術をしていただいた先生が近くの町で開院されたので、以来32年間にわたり通院しています。毎回、血液検査、貧血の注射、腹部エコーなどを行っています。

後遺症は、逆流性食道炎、貧血、膨満感などがあります。一番の苦痛は逆流性食道炎で、術後ずっと付きあっています。症状は、天ぷら、唐揚げなどの脂っこい食事をとった後に出てきます。

とくに就寝中に食道、喉まで苦い液が逆流し、焼けるような痛みにのたうち回り、ふとんから飛び出して、胃粘膜を保護する制酸剤マグテクトで、やっと治まるようなことが常にありました。

平成11年7月頃、2ヵ月間せきが止まらず、肺がんの疑いで16日間の強制検査入院をしました。結果は肺炎でしたが、あとが陰になっています。

水泳で心臓肥大?

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0年前にリクライニングの電動ベッドを購入し、上体を起こして寝るようにしてから楽になりました。油断すると逆流が起こるので、食間に2〜3回マグテクトを飲み、症状を抑えています。

現在は、年1回の胃カメラで見るびらん(食道粘膜がただれること)は小康状態です。膨満感は、わかっていても食べ過ぎ、そばなどの早食いは一向に直りません。経験ミスからくるヒューマンエラーかなと思います。

ほかの症状は、若いときに水泳をやっていたためか心臓肥大で、心不全を判断するマーカーのBNP値が高いのです。先生からしばしば足のむくみ、胸の痛みを聞かれますが、今のところ症状はありません。また、若いときから、血圧が高く、20歳のときに、上が200くらいになったこともあります。今の医院では、ずっと140くらいだったのですが、2年前から180〜200くらいなのでケアしています。毎日、家で測ると140〜160くらいで、幸いに、まだ1度も倒れたことはありませんが、油断は禁物と心しています。

金属加工の会社を経営

事は、60歳の定年退職を機に独立開業しました。以来10年間、私と家内を入れて8名で金属加工、管工事の小さな会社を営んでいます。世の中は甘くなく、私の会社はリーマンショックの影響を受けました。

得意先の仕事の減少、新規顧客の開拓もままならず、資金繰りに頭を悩まし、家内から「普通なら年金生活のところ、こんな歳になってからなんでお金の工面をしなければ…」といわれています。でも、家内とケンカをしながらも、何とか会社を回しています。

後継者と目している人もいます。何とかあと3年くらいで会社の黒字化を定着させ、10年くらい仕事を続けてから後継者に会社を譲りたいと思っています。

いろいろとたいへんなこともありますが、人生の晩年になって自分の夢を形にしつつあることに幸福を感じるこの頃です。

私の健康法

ばこは33年前にやめましたが、酒は術後に好きになり、週に4日ほど、缶ビールを1本とウイスキーか焼酎を3〜4杯飲んでいます。こればかりは好きなのでやめられません。以前していたゴルフ、マージャンは休止中です。今の楽しみは少ない予算での競馬のほか、読書、たまに行く旅行、ドライブです。

70歳になり体はガタが来て、動きが鈍くなってきました。歳を取るにしたがい、私はこれは当たり前と思っています。

健康法なんていえませんが、体力保持に朝晩に腹筋、背筋、ラジオ体操、アレンジの腕、脚の屈伸と左右へ回すなど、昔読んだ出光佐三さん(出光興産の創業者)の頭、首、胸、肋骨下、腹、ふくらはぎ、足裏、手などのマッサージを15〜30分ほど継続して行っています。

願わくば、家内共々85歳くらいまで生きたいと考えています。この私の体験談が、少しでも参考になればうれしく思います。

(静岡県富士宮市在住)