社会福祉法人三井記念病院 栄養部
管理栄養士として、患者さんへの思い。
「胃がん手術の場合、一昔前までは成功することが一番重要で、術後の食事についてはないがしろにされがちでした。しかし私たちは、目の前にお困りの患者さんがいることや、ダンピングに悩み・苦しんでいる患者さんがたくさんいるということを、医師などに訴え続けてきました」
そう答えてくれたのは、三井記念病院栄養部シニアマネージャーの南雲貴美子さん。術後のダンピング症状に悩まされている患者ケアの最前線で働く女性です。以前は、患者さんの思いがなかなか医師まで届きませんでしたが、管理栄養士の取り組みや姿勢によって、今では術後の患者さんのケアについて医師にも理解されるようになってきました。
「食事は嫌々無理に食べても栄養になりません。笑って食べ、食後の30分もにこやかにしていると、消化・吸収、新陳代謝がよくなります。無理せず楽しく、よく「かむ」ことが大切です。かむことにより唾液が出て、消化を助けます。管理栄養士は、ただ食事のとり方と栄養の知識だけあってもダメ。患者さんの食事の環境を考えられなくてはなりません。患者さんと患者さんのご家族、そして医師を食でつなぐ役割があるのです。そのためにはコミュニケーション能力も必要なのですよ」
明るく前向きな姿勢が感じられる南雲さんの話をうかがっていると、改めて食事の大切さを感じました。無理に食べず、自分のペースでゆっくりと、そして楽しく食べることの重要さを再認識しました。
南雲さんが勤務している三井記念病院は、1906年(明治39年)に三井家総代三井八郎右衞門が、貧困により医療を受けられなかった人たちのために私財を投じて設立した財団法人三井慈善病院をルーツとしている病院です。患者さんと医療者が「ともに生きる」医療を目指し診療にあたっています。
そんな三井記念病院では、患者さんやそのご家族にさまざまな情報を提供するため「いずみサロン」を開設していて、その中のひとつとして管理栄養士による「栄養教室」が開催されています。管理栄養士の仕事や、これからの三井記念病院の活動にも注目していきたいですね。
病院名 | 社会福祉法人三井記念病院 |
外来診療時間 | 月曜日~金曜日 9:00~17:00 土曜日 9:00~12:30 |
予約センター | 0120-863-212 |
URL | https://www.mitsuihosp.or.jp/ |
住所 | 〒101-8643 東京都千代田区神田和泉町1 アクセス 電車の方:JR秋葉原駅 昭和通り口より約7分/東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 1番出口より約6分/つくばエクスプレス 秋葉原駅 A2出口・A3出口より約7分/都営新宿線 岩本町駅 A4出口より約10分/浅草橋駅 西口改札より約7分 |