Ⅲ.食事の量が増やせるようになってきたら…

体の調子に合わせる

かつては胃手術後の食事制限が多くありましたが、近ごろは食事制限はゆるやかになり、積極的に栄養素をとることがたいせつと考えられています。
ただ、胃手術後の人は、「1回の食事量を少なくして何回かに分けて食べる」「ゆっくりよく噛んで食べる」「場合によっては消化酵素薬を常用する」ことを心がけましょう。もたれ感やつかえ感のほかに、腸閉塞になる恐れもあるからです。

規則正しい生活を

退院直後の食べることへの不安がなくなるのはとてもよいことですが、食事と生活のリズムには関連があり、生活時間のペースが乱れると食事も不規則になりやすいことに注意しましょう。
食事時間が不規則になると食べる量のばらつきにつながります。多食や少食は胃腸に負担をかけ、栄養素も偏りがちになります。また、就寝前はなるべく食べないようにしましょう。空腹感が強いとき(あるいはおなかがすいて眠れないとき)は、消化がよいウエハースやビスケット、ジュース、スープ程度にしましょう。

体にたいせつな栄養素をとりましょう

次第に「食べること」にも慣れ、自分の食事のペースがつかめてきたと思われます。これまでは「栄養よりも食べたいもの重視」と考えて食事に慣れることを第一にしてきましたが、少しずつ元の「栄養バランスがよい食事」も考えていきましょう。
ごはんやパンなどの主食(炭水化物)、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品(たんぱく質、脂質、ミネラル)、野菜・くだもの(ビタミン類)、油脂や砂糖をバランスよく食事に組み入れましょう。

おなかの調子をととのえる

便秘は腸閉塞の要因の一つになります。また便秘同様に、この時期は下痢にも要注意。下痢は栄養素の吸収不良につながり、骨量や筋肉量が減ってしまう「病的なやせ」を引き起こしやすくなるからです。
規則正しい食事、適度な運動、腸内細菌の環境をととのえる食品の摂取で、快適・快腸に過ごしましょう。

水分はほどほどに

汁物や飲み物など、水分を先にとってしまうと、肝心の主食やおかずが食べられなくなります。食事をとりながら水分を摂取しましょう。
また、水分が不足すると便秘になりやすいので、飲み物は適度に補給しましょう。

>>Ⅲ-1.栄養バランスのケア